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Better Payment Networkのエアドロ戦略。旧Binance Labs主導$50M調達

Better Payment Networkのエアドロ戦略。旧Binance Labs主導$50M調達

国際送金は、手数料が高く、着金までに数日かかるのが当たり前でした。この長年の課題に、ステーブルコインを活用した「オンチェーンFX市場」という革新的なアプローチで挑むのが、今回ご紹介するBetter Payment Network (@bpn_network)です。

BNBチェーンの投資部門であるYZi Labsがリードし、シードラウンドで$50Mもの巨額資金を調達したことで、大きな注目を集めています。

将来のトークン発行と、それに伴うエアドロップへの期待も高まる中、本記事でその全貌と私たちが今から取るべきアクションを徹底解説します。


ざっくりいうと

  • 旧Binance Labs主導で$50M調達: 「YZi Labs」がリードし、シードラウンドで$50Mを調達。AsterのようなBinanceの加護があるかも。
  • 国際送金を“再発明”: 複数のステーブルコイン流動性を統合し、クロスボーダー決済を数時間、手数料を平均0.3%にまで削減する「オンチェーンFX市場」を構築します。
  • エアドロップの可能性: 2025年末のDeFi機能ローンチを控えており、初期ユーザーへの訴求報酬があるかも。

Better Payment Network (BPN) とは?

Better Payment Network (BPN) は、一言で言えば「ステーブルコインを基盤としたグローバル決済ネットワーク」です。

従来の国際送金では、銀行間で事前に資金を準備する「プレファンディング」が必要でした。これにより、世界中の銀行口座に巨額の資金が眠ったままになる非効率さが課題でした。

BPNは、この問題をブロックチェーン技術で解決します。BNBスマートチェーン上に構築されたこのネットワークは、米ドルだけでなく、ブラジルレアルやナイジェリアナイラといった新興国通貨を含む、様々な法定通貨に連動したステーブルコインの流動性を統合。

これにより、国境を越えた送金をほぼリアルタイムで、かつ劇的に安い手数料で実現します。

彼らが目指すのは、「24時間365日稼働するオンチェーンFX市場」の創出。従来の銀行システムを介さず、ブロックチェーン上で直接、異なる通貨のステーブルコインを交換できる世界です。

Better Payment Networkの主な特徴

BPNが他のプロジェクトと一線を画す点は、その独自のアプローチと強力な布陣にあります。ここでは特に注目すべき3つの特徴を解説します。

1. 規制と開放性を両立する「CeDeFiハイブリッド構造」

BPNの最大の特徴は、中央集権的な金融 (CeFi) と分散型金融 (DeFi) の長所を組み合わせたハイブリッド構造です。

  • 許可型 (CeFi) レイヤー: KYC/KYB (本人・事業者確認) を経た企業や決済事業者向けのレイヤー。規制を遵守した形で、法定通貨とステーブルコインの交換や、安全な国際送金サービスを提供します。
  • 許可不要型 (DeFi) レイヤー: 一般ユーザーが誰でも参加できるオープンなレイヤー。ここでは、ウォレットさえあれば誰でもステーブルコイン同士を交換したり、流動性を提供して利回りを得たりすることが可能です。

この二層構造により、規制対応を求める機関投資家の信頼を得ながら、DeFiの透明性とプログラム可能性を個人ユーザーに提供するという、両者の「良いとこ取り」を実現しています。

2. Binanceからの強いサポートがありそうな布陣

プロジェクトの信頼性を裏付けるのが、そのチームと支援者です。

BPNのコアチームは、アリババ系の金融大手Ant Groupや世界最大の暗号資産取引所Binanceで決済部門を率いたRica Fu氏、香港でのIPO経験を持つ連続起業家であり元シンガポール国会議員のCalvin Cheng氏、さらにはKrakenやGeminiでコンプライアンス責任者を務めたBlair Halliday氏など、伝統金融と暗号資産の両業界で豊富な実績を持つ専門家で構成されています。

そして、このプロジェクトに力強い追い風を吹かせているのが、リード投資家であるYZi Labsの存在です。YZi Labsは、かつてBinance Labsとして知られたBNBチェーン関連の投資部門が前身であり、彼らがシードラウンドで$50Mという巨額の出資を主導した事実は、BPNのビジョンと実行力に対する高い評価を物語っています。

明らかにYZi Labsの息がかかっている感が強いので、AsterのようにBinanceからの強いサポートがあるかもしれません。このプロジェクトへの最大の期待はこの点です。

3. 「非ドル通貨圏」に焦点を当てた市場戦略

現在のステーブルコイン市場はUSDTやUSDCといった米ドル建てが中心です。しかし、BPNはあえて新興国の非ドル通貨圏に強く焦点を当てています。

すでにブラジルレアル (BBRL)、ナイジェリアナイラ (cNGN)、メキシコペソ (MEXAS)、ユーロ (EURI) といった、各地域で信頼されるステーブルコインをネットワークに統合。

これらの地域では、従来の送金インフラが脆弱で手数料も高いため、BPNのようなソリューションに対する実需が非常に大きいのです。

この「非ドル送金特化」戦略は、巨大なブルーオーシャン市場を開拓する上で、強力な差別化要因となっています。

Better Payment Networkのエアドロップ戦略

現時点で、BPNは独自のネイティブトークンを発行しておらず、エアドロップに関する公式発表もありません。

しかし、ホワイトペーパーには「トークン経済圏」という記述があり、2025年末にはDeFiレイヤーの正式ローンチが計画されています。

ここでいう"Token"は単にステーブルコインだけを指している可能性もありますが、許可不要型のほうだけに書いてあるということは、ガバナンストークンを使った経済圏を指してる可能性が高そう

また、事業者向けですがポイントに関する言及もあるため、エアドロップにつながるポイントプログラムを実施する可能性もありそうです。

なぜ事業者にブースト!?って感じですが。笑

エアドロップを期待する私たちが今からできる、具体的なアクションは以下の通りです。

  1. BNBチェーン対応ウォレットを準備: MetaMaskなどのウォレットに、ガス代となる少額のBNBを用意します。
  2. BPN DEXでスワップ: すでにα版的に公開されているBPNのDEX(https://app.bpn.finance/markets)にアクセスし、Swap機能を試せます。USDCからブラジルレアル (BBRL) やユーロ (EURI)にスワップできます。

※ただし、現在は流動性がほぼないため、急いでやる必要はなさそう。2025年末にDEXを正式ローンチ、最大20の地域ステーブルコインをサポートする予定があるそうなので、そのタイミングで触るのがよさそうです。

リスクと注意点

BPNは非常に有望なプロジェクトですが、投資や参加を検討する上で認識しておくべき点もあります。

  • スマートコントラクトのリスク: プロジェクトはまだ初期段階であり、全てのスマートコントラクトが監査済みとは限りません。利用する際は、必ず自己責任のもと、失っても問題ない少額の資金から始めるようにしてください。
  • エアドロップの不確実性: 本記事で解説したエアドロップ戦略は、過去の事例に基づく予測であり、公式に約束されたものではありません。トークンが発行されない、あるいはエアドロップの条件が想定と異なる可能性も十分にあります。
  • 規制の動向: ステーブルコインは世界各国で規制整備が進められている分野です。今後の法規制の動向によっては、プロジェクトの事業展開に影響が及ぶ可能性があります。

まとめ

Better Payment Networkは、単なる投機的なプロジェクトではなく、国際送金という実社会の課題解決に真正面から取り組む、骨太なプロジェクトです。

  • 強力な支援とビジョン: 元Binance LabsであるYZi Labsから$50Mという巨額の資金調達に成功し、金融とWeb3のプロフェッショナルが集うチームが、クロスボーダー決済の未来を創造しようとしています。
  • 独自の市場戦略: CeFiとDeFiのハイブリッド構造や、競合が少ない新興国市場へのフォーカスなど、明確な戦略がプロジェクトの優位性を高めています。
  • 将来への大きな期待: 2025年末のDeFi機能の正式ローンチを控えており、初期から参加しておくことで、将来的なエアドロップという形で大きな恩恵を受けられる可能性があります。

決済インフラという巨大な市場に変革をもたらすポテンシャルを秘めたBPNの動向に、今後も注目していく価値は十分にあるでしょう。

参考資料